お仏壇の設置場所に決まりはない
お仏壇が必要になった際、どこに置こうか悩まれる方も多いと思います。
お家に仏間があれば、もちろんそこが一番適した場所といえます。
しかし「お仏壇は仏間に置く」と決まっているわけではありません。
お仏壇はこれから申しあげるポイントに配慮していただければ、いろいろな場所に設置することができます。
また、お仏壇を設置する向きについて諸説いわれておりますが、一概に決まっていることではありません。
どうしても気になる方はお寺様にご相談なさることをおすすめします。
仏間がある場合のお仏壇の設置
そもそも仏間とは何かというと、「お仏壇やお位牌(ご先祖様)を安置する場所」です。
住宅を設計する段階で、「風通しが良いか」「直射日光が当たらないか」「お参りがしやすいか」「落ち着いて安らぎが得られる場所か」これらを考慮しつくられています。
お仏壇を設置するのには、もっとも適した場所です。
さまざまな職人の技術がつまった「金仏壇」、銘木の色や木目をいかした「唐木仏壇」など、伝統的なお仏壇がよく映えることでしょう。
とはいえ、仏間のない住宅も多くございます。仏間がない場合のお仏壇の設置について、次にお話してまいります。
仏間がない場合のお仏壇の設置
仏間がなければどこにお仏壇を置いたらよいのでしょうか。
実はお仏壇の設置場所について決まりはありません。
お参りのしやすさや環境面に配慮していただければ、仏間でなくとも設置できます。
リビングにお仏壇を設置する
家の中で一番長く過ごすのはリビングではないでしょうか。
リビングにお仏壇を置くと、お参りもしやすく、常に仏様や故人の存在も感じられるのでとても良い場所といえるでしょう。
リビングに良く合うモダン仏壇(現代仏壇)もございますので、ぜひご覧ください。
参考記事はこちら「京都にて創業190周年の仏壇店が現代仏壇を販売するワケ」https://www.wakabayashi.co.jp/homeuse/journal/gendaibutsudan/
床の間・和室にお仏壇を設置する
床の間というのは和室の顔ともいえる場所です。
直射日光も入りにくいので、お仏壇を設置するのにも適しています。
床掛軸や季節の花など一緒にお飾りされても素敵です。
「和室にお仏壇を設置することで、畳が傷ついてしまうのでは?」と心配な方は、敷物のご用意もできますのでご相談ください。
お仏壇を設置する際の注意点
お仏壇は木工品です。
末永く安置していただくために、以下の点にご配慮いただければ幸いです。
- 直射日光が当たるところは避ける
- 温度・湿度の高いところは避ける
- 冷暖房器具の風が直接当たらないようにする
- 安定した場所に水平に設置する
お仏壇は湿気や乾燥を嫌います。直射日光・冷暖房器具の風が直接当たるところは避けて設置しましょう。温度・湿度の高いところや、直射日光の当たるところに置くと、変形・変色の原因になります。また、お仏壇は安定した場所に水平に設置しましょう。傾いた状態だと、扉や引き出しの開閉がスムーズではなくなったり、破損の原因にもなります。
お仏壇を設置する向き
お仏壇を設置する向きについては諸説あります。
しかし大切なのは、「お参りしやすい場所であるか」「仏様や故人(ご先祖様)に対して失礼にあたらない場所であるか」という事です。
仏壇店としては以下の説について、参考程度にしていただければよいと思います。
どうしても気になる方は、お寺様にもご相談なさることをおすすめします。
西方浄土説
仏教の中には、西に浄土(いわゆる天国)があるという教えがあります。
この事から、『西を背にお仏壇を設置し、お参りをする方は西(浄土のあるほう)をむいて手を合わせるとよい』とされる説です。
南面北座説
お釈迦様が説法をするときに南をむいていた、という謂(いわ)れからできた説です。
北を背にお仏壇を設置し、お参りをする方は北をむいて手を合わせます。
日当たりの面からも、北にお仏壇を設置するのはよいといわれています。
本山中心説
各宗派のご本山があるほうを背にしてお仏壇を設置します。
『ご本山にむけて手を合わせることになるのでよい』という説です。
お仏壇の設置場所が決まったら
お仏壇を設置する場所が決まったら、設置場所のサイズを測っておきましょう。
お仏壇の種類によっては、扉を開けた状態も考慮しなければいけません。
設置場所のサイズを販売員にお伝えいただくと、スムーズにご購入していただけます。
参考記事はこちら「お仏壇のサイズ表記と選ぶ際の注意点」https://www.wakabayashi.co.jp/homeuse/journal/butsudannosaizu/
まとめ お仏壇の設置場所について
いかがでしたでしょう。
お仏壇の設置場所についてお伝えしたいことをまとめると、次のようになります。
- お仏壇を設置する場所に決まりはない
- お参りしやすく、仏様や故人(ご先祖様)に対して失礼にあたらない場所である
- 直射日光が当たらないか、湿度が高くないかなど環境面にも配慮する
- お仏壇の設置場所については諸説いわれているが、気にしすぎないこと
- 設置場所が決まったらサイズを測っておく
お仏壇を設置後、移動するとなると、また別の準備が必要となることもあります。
お仏壇の移動については、また次回以降お話いたします。
若林佛具製作所は、京都の老舗仏壇店としてさまざまなご相談をおうかがいしております。
お仏壇の設置場所について悩まれた際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。