お仏壇って何?

実はお寺のミニチュアだった?!

現代では、ご先祖や亡くなったご親族の供養のために購入される方も多いお仏壇ですが、元々は信仰される宗派の寺院の御本尊を家に祀るために作られるものでした。

昔ながらのお仏壇のカタチを思い浮かべるとわかるのですが、仏壇の中に屋根や柱・各壇があり、欄干なども設えられ、中央にはご本尊が祀られています。

お仏壇の内部

これは、実は信仰される宗派の本山や地域のお寺さんの本堂を小さくしたものなのです。 お寺に行かれて、本堂の中に入られると中央に見えるご本尊とそれをお祀りしている内陣部分を小さくするとご家庭用のお仏壇になります。中央は宮殿(くうでん)とそれを支える須弥壇(しゅみだん)で構成されていて、その前にお机や具足(ぐそく)と呼ばれるお道具があります。

ご家庭でも、仏間があって昔ながらの大型の金仏壇や唐木仏壇をお持ちのご家庭では、実はお飾りの仕方もお寺と同じになっているはずです。

築地本願寺内陣

昔でも、毎日お寺にお参りするのはなかなか難しかったのでしょう。それでも、毎日信仰される仏様にお参りをするためにご家庭に置かれた寺院のミニチュアだったのがお仏壇です。

お仏壇にご先祖様をお祀りし手を合わせるのも、菩提寺にお墓があり、仏様とともにご先祖様が祀られていることが理由としてあります。

今では宗教観も変化しお仏壇は、信仰よりもお亡くなりになられたご家族・ご親族のためという意味が強くなってきていますが、元々はお寺のミニチュアをご家庭に取り入れたのがお仏壇だったのです。

仏様でもご先祖さまでも、大切な何かを思い浮かべるとき、人はお仏壇に向き合います。嬉しいことやつらいこと、誰かに聞いてほしいこと…日々の暮らしの中に自分自身と向き合う時間を大切な人とともに過ごすこと、それがお仏壇の意味だと私たちは考えています。

お仏壇の見た目やデザイン、お飾りやお参りの形式が変わっても、心の支えやひと時の安らぎを感じていただける場所として、忙しい毎日の中で落ち着き、自分と対話する場所として、そして大切な誰かにいつも心の側に居てもらうための場所として、今の時代でもお仏壇が果たすことができる役割はあるのだと感じています。